「舞台」とひとことで言っても、そのジャンルは本当にさまざま。
かてこさんがはじめて大衆演劇の世界へ足を運んだのは__
2013年、若手座長でもある早乙女太一さんの「原点進化 SEVEN DAYS」。
それが、大衆演劇の世界に触れたはじまりの1本でした。
「100年に1人の天才女形」の凄み
かてこさんのきっかけの1本「トゥーランドット」に出ていたことで知り、
興味本位で取った舞台「原点進化 SEVEN DAYS」。
「100年に1人の天才女形」と称される早乙女太一さんの所作、立ち振る舞い、殺陣の美しさ――。
積み重ねた技の凄みに、終始圧倒されたといいます。
「千秋楽も観たい!」と湧き上がる感情を抑えきれず、当日券に並んだかてこさん。
ここから、大衆演劇もかてこさんの”舞台”活動のひとつになっていきました。
大衆演劇ならではの味わい深さ
・役者さんとの距離が近い!
大衆演劇場の規模は平均100~300席。物理的に舞台と観客席が近く、
役者さんの演技や歌を間近で体感できます。
歌唱や舞踊パートで客席を回り、お客様に微笑みかけたり、即興の掛け合いがあったり。
幕間には役者さん自ら物販をすることも。
笑い声や拍手が自由に飛び交い、観客との交流そのものが演出になっているかのよう。
実際「原点進化 SEVEN DAYS」では、舞台から座布団が投げられたとか。
キャッチして持ち帰った座布団は今も手元に大切に保管しているそうです。
その他、ティッシュのばらまきなどもあり、ほかの舞台にはない一体感にすっかり魅了されました。
・女形が魅せる「女性らしさ」
男性役者が女性を演じる「女形」。その所作は、日本古来の理想の女性像を思わせる独特の美しさがあります。
さらに、「お芝居」と二部構成の「舞踊・歌謡ショー」で披露される衣装は、豪華絢爛。
派手で奇抜な舞台衣装が非日常空間を生み出し、観客を圧倒します。
間近で見る、独特の美しさを放つ「女形」の迫力は、大衆演劇だからこそ得られるもの。
・奇抜さも演出のひとつ「ケレン」
大衆演劇には、観客の目を引くための奇抜で派手な演出「ケレン(外連)」が根付いています。
金糸銀糸をふんだんに使った衣装や、羽・フリルとの組み合わせ、舞台ならではの色使い――。
非日常空間だからこそ違和感なく受け入れられる、この派手さも大衆演劇ならではの面白さです。

(2025年かてこさん撮影:着物ベース+フリルというケレン味を帯びたステージ衣装が素敵に見えてしまう不思議)
・日替わりで変わる演目
「原点進化 SEVEN DAYS」は全6作品を日替わりで実演するという構成。
「行くたびに演目が違う!」という驚きが強く印象に残ったといいます。
大衆演劇では昼夜で演目が変わる場合もあり、通うほどに新しい発見があるのです。
・なんといっても観劇料の安さ
観劇料はおおむね1,000〜2,500円程度。
映画1本分の料金で、非日常的な一体感に浸れる3時間を味わえます。舞踊ショーだけなら割引になることも。
毎日通っても大劇場1本分に満たない価格感は、大衆演劇の大きな魅力です。
リタイヤしたら、毎日大衆演劇へ通って過ごしたいと言っている最近のかてこさんです。
驚きの「おひねり」文化
大衆演劇といえば「おひねり文化」。
気に入った役者さんに「お花」をつける――そう聞くと花束を連想しそうですが、
実際にはお祝儀金や簪などのアクセサリーを舞台上で渡す習慣です。
間奏のタイミングで差し出すのがマナー。
もちろん全員がするわけではなく、観客100人中5~6人ほどの常連さんが熱心に取り組んでいます。
これもまさに“推し活”の一つ。
応援スタイルとして見守りつつ、大衆演劇の世界に浸りましょう。
新しい劇場と演出の変化
2025年8月、かてこさんは新設の歌舞伎町劇場で「劇団花吹雪」を鑑賞。
劇場には大型LEDビジョンが設置され、映像演出が舞台をさらに華やかに彩っていました。
昔ながらのお手製の背景も情緒があって良いですが、
進化した映像技術と大衆演劇とのコラボもまた面白い仕掛けとなっています。
当日券は2,500円。お芝居と舞踊ショーをあわせた3時間コースで、舞踊ショーは撮影・SNS投稿もOK。
大衆演劇初体験の友人とともに「コスパが良い」と満足度の高い体験になったそうです。

(2025年かてこさん撮影:目を奪われたLED画面に映る背景とケレン味あるステージ衣装のコラボレーション)
観劇ド素人視点
大衆演劇は「気軽さ」と「深み」の両方をあわせ持つ舞台文化。
ケレン味(外連味)という言葉も初めて認識し、(人生初めて文章の中で使いました…)
奇抜さや派手さも、実は長く受け継がれてきた演出だということ、
またひとつ”舞台”の世界での気づきとなりました。
毎日変わる演目、手の届きやすい価格、そして観客との近さ。
事前に大衆演劇に触れたことで、劇場に足を運んだ際の観方も変わりそうです。
より深く、寄り添い体感する。
「ふらっと気軽に行ける舞台がある」
――そう思うと、観劇ド素人のわたしも一歩踏み出せそうです。
よし、次は大衆演劇を観に行こう!っと思うわたしなのでした。