2026年2月某日、PARCO劇場。
稲垣吾郎さん主演、舞台『プレゼント・ラフター』を観劇してきたかてこさん。

英国の劇作家ノエル・カワードによる名作コメディで
1942年の初演以来、世界中で上演され続けている作品です。

機知に富んだノエル・カワードのラブコメディ。
どんな舞台体験ができたのでしょうか。

大人のための、上質なラブコメディ

主演は稲垣吾郎さん。

舞台は、高級アパートメントの一室。
主人公は、名声も人気も手にしたスター俳優ギャリー。

誰からも愛され、華やかな世界の中心にいる人物でありながら、
彼の内面には、孤独や老いへの不安が存在しています。

そこへ、妻、友人とその妻、若い女性、劇作家志望の青年、マネージャー……
次々と個性的な訪問者が現れ、物語は思わぬ方向へ転がっていきます。

軽やかな会話劇の、その奥にあるもの

物語のテンポはとても軽快で、
会話の応酬、勘違い、すれ違い、恋愛、嫉妬、不倫騒動――
テーマだけを見ると決して軽い話ではないのに、
それを感じさせないコメディとして成立しているのが、この作品の面白さでした。

稲垣吾郎さん演じるギャリーは、いわゆる“プレイボーイ”的な役どころ。
周囲の女性たちに翻弄され、友人関係も危うくなり、
状況だけを見ればかなり大変なことになっているのに、
どこか憎めない、むしろ人間らしい魅力のある人物として描かれていました。

別居中の妻を演じる倉科カナさん、
友人の妻役の黒谷友香さんをはじめ、
登場人物はみな個性的で、誰か一人が強烈というより、
全員で会話劇を作っていくタイプの舞台だった印象です。

そして、家政婦役の広岡由里子さんの存在がとてもいいアクセントになっていて、
物語の空気を和らげ、コミカルな笑いを誘ってくれました。

そして、そんな彼が最後に選んだものは…

(2026年かてこさん撮影:PARCO劇場にて)

笑っているのに、少しだけ切ない

この作品のタイトル『プレゼント・ラフター』は、
シェイクスピア由来の言葉で、「刹那的な喜び」という意味があるそうです。

舞台を観終わったあと、
「ああ、なるほど」と思いました。

舞台の上ではずっと笑いが起きている。
でも、その中心にいる主人公は、どこか満たされていない。

人気も、お金も、人も、愛も、すべて持っているはずなのに、
それでも人は孤独を感じることがある。

その少しの寂しさを、笑いで包んだ物語。
そんな印象の舞台でした。

重いテーマも含んでいるのに、観終わったあと嫌な気持ちにならない。
むしろ、「面白かった」と素直に言える。

まさに“大人のラブコメディ”という言葉がぴったりの作品でした。

ステージに立つ人、その世界を創り上げるすべての人に、心から拍手を。

(Coffee break…)
次のページをめくる前に、温かい一杯を。

ブルーボトルコーヒー

舞台ファイル:舞台『プレゼント・ラフター』

今回、かてこさんが赴いた日程は以下の通りです。

【公演名】舞台『プレゼント・ラフター』
【公演期間】2026年 02月 07日 ~ 2026年 02月28日
【会場】PARCO劇場
【作】ノエル・カワード
【翻訳】徐賀世子
【演出】小山ゆうな
【企画:製作】株式会社パルコ
【キャスト】
主人公ギャリー:稲垣吾郎
別居中のギャリーの妻:倉科カナ
プロデューサー:金子岳憲
プロデューサーの妻:黒谷友香
秘書:桑原裕子
劇作家を目指す男性:望月歩
付き人:中谷優心
ギャリーファンの女性:白河れい
マネージャー:浜田信也
家政婦:広岡由里子

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この舞台の記録も、
“舞台ファイル”のひとつにすぎません。

年間100公演以上を16年間継続しているかてこさん。
チケットの山とともに積み重なってきた観劇の記録が、
いまの「かてこさんの舞台帖」を静かに形づくっています。

その原点と歩みは、こちらから辿ることができます。

年間100公演という歩みの中で、
かてこさんなりの“観劇スタイル”も少しずつ育ってきました。

観劇の日、その余韻をどう持ち帰るか。
そのひとつの答えを綴った記事はこちらです。

舞台は、一期一会。
同じ公演は、二度とありません。

だからこそ――
「観たい」という気持ちを、最後まであきらめない方法もあります。

チケットを“譲る人”と“譲ってもらう人”でつながる、
もうひとつの観劇のかたちについてまとめました。

はじめて観劇に行くとき、
「どの席を選べばいいの?」と迷う方も多いと思います。

実は、舞台は映画と違って、
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席選びの考え方については、こちらにまとめています。