11月21日(金)PARCO劇場。
今年のパルコ作品の中でも、ひときわ“攻めた”タイトルが気になっていた一本──
もちろん年間100公演✕16年間継続中のかてこさんも、
大パルコ人⑤オカタイロックオペラ『雨の傍聴席、おんなは裸足…』を観に行ってきました。
松たか子さん演じる演歌歌手と、阿部サダヲさん演じるロック歌手。
物語は、彼らが争う親権裁判をめぐって展開するのですが、
普通の裁判劇とはまったく違う方向に振り切っていました。

未来の“裁判配信”がテーマ。冒頭20分で突然の休憩!?
この物語は、近未来。
裁判の傍聴席に座ると、その様子が世界に向けて同時配信される──そんな設定で幕を開けます。
開演すると、いきなり松たか子さんが客席を通って歌いながら登場。
観客の緊張を一気に持っていく、舞台ならではの距離感にゾクッとします。
しかし、その勢いのまま物語が回り始めて 約20分後。
まさかのアナウンス。
「ここで休憩です」
2時間35分の上演のうち、開始20分で10分休憩が入る構成。
これが、後に“仕掛け”として効いてきます。
休憩は“商機”。ペンライトを買わされる(?)裁判劇
裁判を盛り上げるために、観客は
松たか子側と阿部サダヲ側で
赤か青かのペンライトを振って参加する──というルール。
しかも休憩に入ると、すぐさま客席で、
「ペンライトお持ちですか?
裁判を盛り上げるための必需品です!
赤か青か、推しの側につきましょう!」
と裁判長役の藤井隆さんがアナウンスしながら販売を開始。
2,000円の購入か、1,000円のレンタルか。
レンタルにはミニクリアファイルが付いてくるという絶妙なライン。
“観客参加型”をここまで露骨にエンタメ化するのは、むしろ清々しい。
気づけば会場の多くが光り始め、裁判の行方が視覚化されていくことに。
「まぁ、売れていました……」
という会場の光景を横目に、
かてこさんはレンタルに手を伸ばすよりも、
この休憩10分間の展開が衝撃的で状況を見守るのに精一杯だったとか。
ちなみにこのペンライトの正式名称は「応援用ガベル型ペンライト」。
裁判で使う“木槌”の形をしたペンライトです。イメージ湧きますか?

(2025年かてこさん撮影:まさかこの休憩10分に衝撃を受けるとは微塵も思ってなかった公演前…)
テレビではできない“グレーゾーン”のパロディ満載
結局、親権はどうなったのか……
これはぜひ観て、行く末を目撃してほしいのですが、意外な方向に進みます。
終盤には、現実にはあり得ない展開も織り交ぜながら、
社会風刺・時事ネタ・パロディが遠慮なく差し込まれます。
テレビでは“絶対にNG”なラインを余裕で超えていく、
この舞台らしい自由さが心地良い。
裁判を配信する未来の話で、シニカルなんだけどとにかく笑えるシーンが満載。
松たか子さんの客席登場の迫力、ペンライト商法(?)込みの参加型演出、
そして突然20分で休憩が入る意外性。

かてこさん
いろんな意味で“攻めてる舞台”でした!
観劇ド素人所感
“裁判”という重いテーマを扱いながら、
ロックオペラとして笑いと風刺をふんだんに混ぜ込み、
観客を舞台の一部として巻き込んでいく構造。
エンタメ×社会風刺×参加型
これらを絶妙なバランスで混ぜ合わせた一作。
そんな挑戦が詰まった快作で、
大笑いして、すっきりとするそんなひとときに感謝を。
そして、
ステージに立つ人、その世界を創り上げるすべての人に、心から拍手を。
投稿後記|カーテンコールの、そのあとで
観終わったあと、静かに残ったもの
カーテンコールが終わっても、気持ちが切り替わらない時ありませんか?
ペンライトを振り、その場の一体感を全身で浴びた後、
そういう「参加の仕方」以上に、観終わったあとに
この作品は、じわじわと余韻が迫ってくる舞台だったように思います。
拍手が終わり、客席を立って、劇場を出たあとも、
すぐに日常に戻れなかった人は、きっと少なくないはずです。
観劇後の夜、どう過ごすか
すぐに言葉にしなくてもいい。
観劇後、誰かに感想を送る気分でもなく、
SNSに書き出すほど整理もできていない。
でも、
このまま眠ってしまうのは、
少し惜しい――
そんな夜もあります。
無理にまとめなくていい。
無理に誰かに伝えなくてもいい。
ただ、
余韻の中に、もう少しだけ身を置きたい。
でも――
誰かの声を静かに聴きたくなる瞬間は、
確かにあって。
文字より、声がちょうどいいとき
そんな夜に、「読む」よりも
誰かの声を静かに聴くという選択をすることがあります。
画面を見なくていい。
集中しなくてもいい。
ただ、耳を預けるだけ。
舞台の余韻を壊さず、
でも、ひとりきりにもなりすぎない。
その距離感が、ちょうどよく感じるからです。
Audibleという選択肢で余韻を楽しむ
そんな夜の過ごし方のひとつとして、
最近よく使っているのが、音声コンテンツです。
私が聴くジャンルは、
作品そのものではなく、
余韻に寄り添ってくれる音声です。
たとえば、
・演劇や表現について語られたもの
・創作にまつわるエッセイ
・人生や感情の揺らぎを、静かに語る言葉
「理解するため」ではなく、
「余韻を抱えたまま過ごすため」に聴くもの。
もし、
観劇後の夜を
少しだけ静かに過ごしたいとき。
最近はタイトルもジャンルも増え、
活用場面が増えたAudibleのような音声サービス。
舞台の余韻に浸りたい時、あなたはどう過ごしますか。
舞台ファイル:大パルコ人⑤オカタイロックオペラ『雨の傍聴席、おんなは裸足…』
かてこさんが赴いた舞台日程は以下の通り。
【公演名】大パルコ人⑤オカタイロックオペラ『雨の傍聴席、おんなは裸足…』
【公演期間】2025年 11月 06日 〜 2025年11月30日
【会場】 PARCO劇場
【作・演出】宮藤官九郎
【音楽】上原子友康(怒髪天)、峯田和伸(銀杏BOYZ)
【プロデュース・製作】大人計画・株式会社パルコ
【キャスト】
阿部サダヲ、松たか子、峯田和伸(銀杏BOYZ)、三宅弘城、荒川良々、黒崎煌代、少路勇介、よーかいくん、中井千聖、宮藤官九郎(作・演出も担当)、藤井隆
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この舞台の記録も、
“舞台ファイル”のひとつにすぎません。
年間100公演を16年間。
チケットの山とともに積み重なってきた観劇の記録が、
いまの「かてこさんの舞台帖」を形づくっています。
その原点と歩みは、こちらから辿ることができます。