11月21日(金)PARCO劇場。
今年のパルコ作品の中でも、ひときわ“攻めた”タイトルが気になっていた一本──
大パルコ人⑤オカタイロックオペラ『雨の傍聴席、おんなは裸足…』を観に行ってきました。
松たか子さん演じる演歌歌手と、阿部サダヲさん演じるロック歌手。
物語は、彼らが争う親権裁判をめぐって展開するのですが、
普通の裁判劇とはまったく違う方向に振り切っていました。

未来の“裁判配信”がテーマ。冒頭20分で突然の休憩!?
この物語は、近未来。
裁判の傍聴席に座ると、その様子が世界に向けて同時配信される──そんな設定で幕を開けます。
開演すると、いきなり松たか子さんが客席を通って歌いながら登場。
観客の緊張を一気に持っていく、舞台ならではの距離感にゾクッとします。
しかし、その勢いのまま物語が回り始めて 約20分後。
まさかのアナウンス。
「ここで休憩です」
2時間35分の上演のうち、開始20分で10分休憩が入る構成。
これが、後に“仕掛け”として効いてきます。
休憩は“商機”。ペンライトを買わされる(?)裁判劇
裁判を盛り上げるために、観客は
松たか子側と阿部サダヲ側で
の赤か青かのペンライトを振って参加する──というルール。
しかも休憩に入ると、すぐさま客席で、
「ペンライトお持ちですか?
裁判を盛り上げるための必需品です!
赤か青か、推しの側につきましょう!」
と裁判長役の藤井隆さんがアナウンスしながら販売を開始。
2,000円の購入か、1,000円のレンタルか。
レンタルにはミニクリアファイルが付いてくるという絶妙なライン。
“観客参加型”をここまで露骨にエンタメ化するのは、むしろ清々しい。
気づけば会場の多くが光り始め、裁判の行方が視覚化されていくことに。
「まぁ、売れていました……」
という会場の光景を横目に、
かてこさんはレンタルに手を伸ばすよりも、
この休憩10分間の展開が衝撃的で状況を見守るのに精一杯だったとか。
ちなみにこのペンライトの正式名称は「応援用ガベル型ペンライト」。
裁判で使う“木槌”の形をしたペンライトです。イメージ湧きますか?

(2025年かてこさん撮影:まさかこの休憩10分に衝撃を受けるとは微塵も思ってなかった公演前…)
テレビではできない“グレーゾーン”のパロディ満載
結局、親権はどうなったのか……
これはぜひ観て、行く末を目撃してほしいのですが、意外な方向に進みます。
終盤には、現実にはあり得ない展開も織り交ぜながら、
社会風刺・時事ネタ・パロディが遠慮なく差し込まれます。
テレビでは“絶対にNG”なラインを余裕で超えていく、
この舞台らしい自由さが心地良い。
裁判を配信する未来の話で、シニカルなんだけどとにかく笑えるシーンが満載。
松たか子さんの客席登場の迫力、ペンライト商法(?)込みの参加型演出、
そして突然20分で休憩が入る意外性。

かてこさん
いろんな意味で“攻めてる舞台”でした!
観劇ド素人所感
“裁判”という重いテーマを扱いながら、
ロックオペラとして笑いと風刺をふんだんに混ぜ込み、
観客を舞台の一部として巻き込んでいく構造。
エンタメ×社会風刺×参加型
これらを絶妙なバランスで混ぜ合わせた一作。
そんな挑戦が詰まった快作で、
大笑いして、すっきりとするそんなひとときに感謝を。
そして、
ステージに立つ人、その世界を創り上げるすべての人に、心から拍手を。
舞台ファイル:大パルコ人⑤オカタイロックオペラ『雨の傍聴席、おんなは裸足…』
かてこさんが赴いた舞台日程は以下の通り。
【公演名】大パルコ人⑤オカタイロックオペラ『雨の傍聴席、おんなは裸足…』
【公演期間】2025年 11月 06日 〜 2025年11月30日
【会場】 PARCO劇場
【作・演出】宮藤官九郎
【音楽】上原子友康(怒髪天)、峯田和伸(銀杏BOYZ)
【プロデュース・製作】大人計画・株式会社パルコ
【キャスト】
阿部サダヲ、松たか子、峯田和伸(銀杏BOYZ)、三宅弘城、荒川良々、黒崎煌代、少路勇介、よーかいくん、中井千聖、宮藤官九郎(作・演出も担当)、藤井隆