『帝コン』堂本光一×井上芳雄~5階席から見届けた、帝劇の記憶をつなぐアリーナライブ~

『帝コン』堂本光一×井上芳雄~5階席から見届けた、帝劇の記憶をつなぐアリーナライブ~

2026年8月7日、東京ガーデンシアターで開幕した
『New HISTORY COMING ARENA LIVE -The Imperial Theatre Symphony-』を観てきました。

通称「帝コン」。

2025年2月に建て替えのため休館に入った帝国劇場。
1911年に初代帝劇が開場して以来、日本の演劇史とともに歩み、
二代目となってからも『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『エリザベート』『Endless SHOCK』など、
数えきれない作品を送り出してきた場所です。
新しい帝劇の開場予定は2030年度。

では、その間、帝劇の記憶はどうつながれていくのか。

そのひとつの答えとして開催されたのが、日本ミュージカル界初となるアリーナツアー
『New HISTORY COMING ARENA LIVE -The Imperial Theatre Symphony-』でした。

ホストを務めるのは、堂本光一さんと井上芳雄さん。

2000年にそろって帝国劇場の舞台に初めて立ち、
その後25年以上にわたって帝劇を代表する作品を背負ってきた二人です。

「帝劇の名曲を集めたコンサートなのかな」

そんなイメージで向かったかてこさんでしたが、実際には、
もっと自由で、もっと遊び心があって、そして想像以上に“帝劇そのもの”を感じるライブとなったようです。

“帝劇そのもの”を感じさせたライブとは、いったいどんなものだったのでしょうか。

『帝コン』堂本光一×井上芳雄~5階席から見届けた、帝劇の記憶をつなぐアリーナライブ~

(2026年かてこさん撮影:東京ガーデンシアター前にて)

帝劇の「本物」が東京ガーデンシアターへ

まず印象的だったのが、ステージ上のセット。

舞台には、大きな「帝国劇場」の文字。
これは帝劇の外観に実際に掲げられていた文字看板なのだそう。

さらに、ロッカーや椅子、オーケストラ前にあった低い壁など、
もともと帝国劇場で使われていたものがステージに置かれていました。

建物はもう休館していても、
「あ、帝劇だ」
と思える景色がそこにある。

新しく作った“帝劇風のセット”ではなく、帝劇にあったものをそのまま持ってきているところに、
このコンサートの意味を感じます。

劇場という建物だけではなく、そこで積み重なってきた時間や記憶まで、
東京ガーデンシアターへ運んできたようでした。

普通のミュージカルコンサートとはちょっと違う

出演するのは、
堂本光一さん、井上芳雄さんをはじめ、
島田歌穂さん、平原綾香さん、ソニンさん、佐藤隆紀さん、桜井玲香さん、岡宮来夢さん、石丸幹二さん。

さらに東京ガーデンシアター公演のスペシャルゲストとして、市村正親さん。

これだけのメンバーが揃えば、帝劇で歌われてきたミュージカルナンバーを次々と披露するだけでも十分豪華です。

ところが帝コンは、そこだけでは終わりません。

前半には、それぞれの出演者の“ルーツ”を辿るコーナーがあり、
ミュージカルとは直接関係のない楽曲まで登場します。

これが、とても面白かった。

なかでも忘れられないのが、ソニンさんの「カレーライスの女」。

2002年にリリースされたソニンさんのソロデビュー曲です。
当時話題になったジャケット写真は、裸にエプロンというかなりインパクトのあるもの。

さすがにその映像は出せないという話をしつつ、ソニンさんが衣装の上からエプロンをつけて歌い始めます。

しかも、その後ろでは堂本光一さんと井上芳雄さんがバックダンサーに。
豪華すぎるバックダンサーです。

帝劇の歴史を振り返る格式高いコンサートなのに、こんなことまでやってしまう。

この振り幅が楽しい。

豪華な出演者を並べて名曲を歌うだけではなく、
それぞれが帝劇へたどり着くまでのキャリアやルーツまで含めて見せてくれる。

だからこそ、

「いろいろな場所から集まってきた人たちが、帝劇という場所で交わってきたんだな」

ということまで見えてくる構成でした。

ブルーボトルコーヒー

光一×芳雄だから成立する、自由な帝コン

そして、このコンサートを印象づけていたのが、やはり堂本光一さんと井上芳雄さん。

二人のトークが、とにかく長い。

いい意味で(笑)。

きっちり進行して次の曲へ、という一般的なコンサートとは違って、
二人が話し始めるとどんどん話が広がっていきます。

結果、この日の公演は3時間超え。

でも、そのトークを含めて帝コン。

長年帝劇に立ち続けてきた二人だから話せることがあり、
互いをよく知っている二人だから成立する掛け合いがあります。

芳雄さんが話を広げ、光一さんがそこへ独特の角度から返す。
あるいは光一さんが自由に動き始めると、芳雄さんが絶妙に拾っていく。

舞台上にいる豪華な出演者たちまで巻き込みながら進んでいくので、
巨大な東京ガーデンシアターなのに、どこか帝劇の楽屋話を覗いているような親密さもありました。

一方で、曲が始まれば空気は一変。

その切り替えも、この二人ならではです。

(2026年かてこさん撮影:東京ガーデンシアター内にて)

『エリザベート』がこのメンバーで蘇る

帝コンの大きな見どころのひとつが、21世紀の帝劇を代表する作品をフィーチャーしたスペシャルパフォーマンス。

まずは『エリザベート』。
かてこさんにとっても何度も観てきた、思い入れの深い作品です。

ただし今回は、本公演のキャストそのままではありません。
帝コンだからこそ実現する組み合わせで、あの楽曲を歌う。

本役で歌う人もいれば、
「この人が、この役を?」
という驚きの組み合わせもある。

15分ほどに凝縮された構成でありながら、『エリザベート』の音楽そのものが持つ力はやはり強い。

数音流れただけで、一瞬にして帝劇で観た『エリザベート』の記憶が戻ってきます。

舞台装置も衣装も本公演とは違うのに、曲を聴くだけで、あの世界が立ち上がってくる。

長く帝劇で上演され続けてきた作品だからこそ感じる、不思議な感覚でした。

『Endless SHOCK』をミュージカル俳優たちが演じる

もうひとつの柱が『Endless SHOCK』。
2000年から帝劇とともに歩み続けてきた、堂本光一さんを象徴する作品です。

こちらも帝コンならではの配役。
「Yes, My Dream」では、コウイチを堂本光一さん、ライバルを岡宮来夢さん、
リカを桜井玲香さん、オーナーを島田歌穂さんが担当。

さらに井上芳雄さんや佐藤隆紀さんもカンパニーに加わります。

これだけでも、普段の『Endless SHOCK』ではまず見ることのできない光景。

そして「Don’t Look Back ~戻れない日々」では、なんと光一さんがライバル役、芳雄さんがコウイチ役に。

帝劇で長年別々のフィールドを歩んできた二人が、ここで『SHOCK』の役を入れ替えて歌う。

帝コンだからこそ許される遊びです。

『Endless SHOCK』を観てきた人ほど、面白く感じる場面だったのではないでしょうか。

5階席1列目。手すり問題はかなりある

今回のかてこさんの座席は、
東京ガーデンシアター5階席・1列目。

かなり高い位置です。
そして実際に座ってみると、ひとつ大きな問題が。

普通に背もたれへ体を預けて座ると、
目の前の手すりが、かなり視界に入ります。

ステージのちょうど見たい高さに手すりが重なってしまう感じ。

そのため観劇中は、
手すりの隙間から、一人、二人の全身を見る。

あるいは、
少し背筋を伸ばして、手すりの上からステージ全体を見る。

ほぼこの二択でした。

正直なところ、5階席なら1列目より2列目のほうが見やすい可能性もありそうです。

最前列だから必ずしも見やすいとは限らない、という東京ガーデンシアターならではの注意点かもしれません。

ただ、今回は芝居ではなくコンサート。

細かな表情や芝居をずっと追い続ける作品ではないため、
手すりが多少視界へ入っても、満足度への影響はそこまで大きくありませんでした。

むしろ5階席だからこそ、ステージ全体、照明、オーケストラ、出演者たちが作る大きな景色を一度に見渡せます。

結果としては、
5階席でも観られてよかった。

そう思える公演でした。

(※画像はイメージです。)

帝劇がなくても、帝劇はなくなっていなかった

2025年2月に二代目帝国劇場が休館してから、すでに1年以上。

長年通っていた人ほど、
「帝劇がない」
ということを、ふとした瞬間に感じるのではないでしょうか。

有楽町へ行っても、いつもの帝劇へ入ることはできない。

『レ・ミゼラブル』も『エリザベート』も『SHOCK』も、あの場所では観られない。

2030年度に予定されている新・帝劇の開場までは、まだ時間があります。

でも、帝コンを観ながら感じたのは、
帝劇というのは、建物だけではなかったんだ
ということ。

そこで上演された作品があり、
そこで育った俳優がいて、
何度も客席へ通った観客がいて、
それぞれの記憶の中に帝劇が残っています。

実際に使われていた「帝国劇場」の文字やセットを運び入れ、
帝劇を代表する俳優たちが集まり、
過去の作品をそのまま再現するのではなく、新しい組み合わせで歌う。

だからこのライブは、
「昔の帝劇はよかったね」
と振り返るだけの同窓会ではありませんでした。

過去の帝劇を持って、
今を楽しんで、
その先の新しい帝劇へ進んでいく。

『New HISTORY COMING』というタイトルは、まさにそのための言葉なのだと思います。

堂本光一さんと井上芳雄さんの長いトークも、
ソニンさんの「カレーライスの女」も、
『エリザベート』の意外な配役も、
ミュージカル俳優たちが演じる『Endless SHOCK』も。

格式ばかりを重んじるのではなく、真剣に遊びながら新しいエンタテインメントを作る。

それもまた、帝劇が長い歴史の中で続けてきたことなのかもしれません。

5階席の手すりと格闘しながらの3時間超え。

それでも、
この帝コンは観ておいてよかった。

新しい帝劇が誕生したとき、
「あの帝劇がなかった数年間に、こんなコンサートがあったね」
と思い出す公演になりそうです。

ステージに立つ人、その世界を創り上げるすべての人に、心から拍手を。

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舞台ファイル:『New HISTORY COMING ARENA LIVE -The Imperial Theatre Symphony-』

かてこさんが赴いた公演日程は以下の通りです。

【公演名】『New HISTORY COMING ARENA LIVE -The Imperial Theatre Symphony-』
【東京公演】2026年8月7日 ~ 2026年8月9日
【会場】東京ガーデンシアター
【構成・演出】上田一豪
【製作】東宝
【キャスト】
堂本光一、井上芳雄、島田歌穂、平原綾香、ソニン、佐藤隆紀、桜井玲香、岡宮来夢、石丸幹二
スペシャル・ゲスト:市村正親

観劇&ライブ プラスアイテム

劇場やライブ会場での時間、その日を、少しだけ快適にしてくれる観劇アイテムをまとめました。
みなさまの観劇体験がよりよいものとなりますように。

双眼鏡(オペラグラス)

2、3階席はもちろん1階席でも、表情や舞台設定、背景、衣装の細部まで楽しみたいときに。

はじめての双眼鏡なら、小型なものから。

性能にも多少こだわりたい方には。

水筒

開演前後の水分補給に。劇場周辺で飲み物を探す手間を減らせます。

観劇中の集中力を維持するもの

BASE FOOD

小腹が空いて観劇の集中力が途切れないように。開演前や休憩時間に、手軽に栄養補給を。

ナリス ぐーぴたっクッキー

小腹が空いたときのお守りに。観劇前後の軽い携帯食として。

立見観劇にあると便利なもの

折り畳み椅子

立見だからって、立ちっぱなしでいる必要はないので、持っていくだけで快適に。

夏の観劇にあると便利なもの

携帯扇風機

駅から劇場までの移動や、開場待ちの暑さ対策に。

日傘

劇場までの移動や、物販列に並ぶとき、日差し対策に。

ネッククーラー

真夏の観劇・遠征・屋外待機の体力温存、熱中症対策に。

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