朗読劇『ラヴ・レターズ』丸山智己×柚香光~最前列で見届けた、手紙だけで辿る50年の愛~

朗読劇『ラヴ・レターズ』丸山智己×柚香光~最前列で見届けた、手紙だけで辿る50年の愛~

2026年8月1日、PARCO劇場で上演された朗読劇『ラヴ・レターズ ~2026 Summer Special~』を観劇してきたかてこさん。

今回、アンディーを演じたのは丸山智己さん、メリッサを演じたのは柚香光さん。

しかも座席は、なんと1列目の最前列。

年間100公演以上を観劇しているかてこさんですが、
作品についてほとんど情報を入れないまま劇場へ向かいました。

そこで待っていたのは、男女二人が椅子に座り、手紙を読み続けるだけで、
一組の男女の約50年もの人生を描き出していく世界。

そして始まってすぐ、さらに驚くことになります。

第一声から聞こえてきたのは、大人の男女の声ではありませんでした。

物語は、まだ幼い二人の手紙から始まったのです。

(2026年かてこさん撮影:PARCO劇場にて)

1990年から読み継がれてきた朗読劇『ラヴ・レターズ』

『ラヴ・レターズ』は、A.R.ガーニーによる戯曲。

日本では1990年の初演以来、PARCO劇場を中心に上演され続けてきた朗読劇の名作です。

舞台に登場するのは、基本的に二人だけ。

アンドリュー・メイクピース・ラッド三世、通称アンディー。
そして、メリッサ・ガードナー。

二人が長い年月にわたって交わしてきた手紙を読み継ぐことで、
幼少期から晩年までの人生が浮かび上がっていきます。

2026年夏の「Summer Special」では4組のカップルが出演。

かてこさんが観劇した8月1日18時30分公演では、

アンディー:丸山智己さん
メリッサ:柚香光さん

という組み合わせでした。

第一声から子ども――前情報なしだったからこその驚き

朗読劇ということは知っていたものの、物語の始まり方まではあまり想像せずに劇場へ。

そして開演。

驚いたのが、第一声から子どもの声だったこと。

物語は、まだ6歳、8歳ほどのアンディーとメリッサが交わす手紙から始まります。

大人の俳優二人が椅子に座っている。
それなのに声を聞いた瞬間、目の前にいるのは幼い少年と少女。

朗読劇ですから、大掛かりな舞台セットが変わるわけでもありません。

衣装を次々と変えて年齢を表現するわけでもありません。

それでも、声の高さ、言葉のテンポ、ちょっとした間の取り方によって、二人の年齢が見えてくる。

「あ、本当に子どもから始まるんだ」

前情報がなかったこともあり、最初から一気に作品の世界へ引き込まれました。

幼馴染のアンディーとメリッサ――近いのに、結ばれない二人

アンディーとメリッサは幼馴染。

真面目で内省的、話すこと以上に文章で自分を表現することを得意とするアンディー。

一方のメリッサは、自由奔放で芸術家肌。

性格はまったく違います。

幼い頃から手紙を交わし続け、成長すると、お互いを一番身近な異性として意識するようになります。

でも、なぜか二人はすんなり恋人同士にはならない。

高校、大学へと進み、それぞれの人生が広がっていくにつれて、その距離も少しずつ変わっていきます。

「一番近い人なのに、友達以上にはなれない」

そんな関係が、何十年にもわたって続いていくのです。

海外の名前や地名に少し戸惑いながら、人生を追いかける

物語の舞台はアメリカ。

登場する人物の名前や学校、土地など、聞き慣れない言葉も次々と出てきます。

しかも朗読劇ですから、文章として目で確認することはできません。

「これは人の名前?」
「地名だったかな?」

最初は少し戸惑うところもありました。

ただ、すべての固有名詞を理解しなくても、二人の関係は十分伝わってきます。

むしろ次第に気にならなくなっていきました。

学校へ行き、旅をし、仕事をし、結婚し、家庭を持つ。

それぞれの人生がどんどん先へ進んでいく中でも、二人の間から手紙だけはなくならない。

その積み重ねを追っているうちに、いつの間にか観客も二人と一緒に何十年もの時間を歩いていました。

一幕は、デニムのワンピースで少女のように

一幕で特に印象に残ったのが、柚香光さんの姿。

デニムのワンピース姿で登場し、メリッサの若々しさや少女らしさを感じさせます。

宝塚時代には男役トップスターとして数々の役を演じてきた柚香さん。

そのイメージを知っているからこそ、最前列から見るワンピース姿のメリッサはとても新鮮でした。

そして、幼い少女から思春期へ。
さらに大人の女性へ。

衣装以上に驚くのが、声と表情だけでその年月を感じさせることです。

舞台上で大きく動く作品ではありません。

だからこそ最前列では、ほんのわずかな表情の変化や視線、息づかいまで目に入ってきました。

二幕、紺のワイドパンツ姿で登場した瞬間に客席がどよめく

20分間の休憩を挟んで二幕へ。

そこで柚香さんの印象がガラリと変わります。

紺のワイドパンツに白いブラウス。

登場した瞬間、

「おお……」

とでもいうように、客席がわずかにどよめきました。

とにかく格好いい。

一幕のデニムワンピース姿から一転、年齢を重ねたメリッサとして現れた柚香さん。

元男役トップスターらしいシャープさもありながら、
演じているのは人生にさまざまなものを抱えてきた一人の女性です。

衣装の変化だけでも、二人の人生が次の段階へ進んだことが伝わってきました。

(2026年かてこさん撮影:カップルによって上演時間が異なる、らしい)

ようやく訪れた「男女としての時間」

若い頃には、友達以上にはなれなかった二人。

ところが40代、50代ほどになり、それぞれの人生を歩んだ後に、初めて男女として距離が縮まる時間が訪れます。

ずっとすれ違ってきた二人だから、

「ようやく……」

と思うところなのですが、それでも現実は簡単ではありません。

アンディーにはすでに家庭があり、子どももいる。

さらに政治家としての立場もあります。

スキャンダルは許されません。

若い頃とは違い、守るべきものを持ってしまったアンディー。

一方で、メリッサは次第に壊れていきます。

求めているのに会えない。

会いたいのに、会うことができない。

何十年間も手紙でつながってきた二人なのに、人生の最後まで、その距離は埋まりません。

最後の手紙は、メリッサではなく彼女の母へ

物語の最後。
アンディーが手紙を書く相手は、もうメリッサではありません。

メリッサの母親です。

そこで初めて語られていく、アンディーのメリッサへの想い。

丸山智己さんが、涙を流しながら言葉を紡いでいきます。

これまで何十年にもわたって手紙を書き続けてきたアンディー。

言葉を書くことを何より得意としてきた人が、最後に書くメリッサへの思い。

それを聞いていると、

「二人は結局、何だったのだろう」

と思わずにはいられません。

恋人。
幼馴染。
親友。

人生で一番長く手紙を交わした相手。

どの言葉でも表せそうで、どの言葉だけでも足りない。

たった二人、手紙だけで50年を見せる面白さ

『ラヴ・レターズ』を実際に観てみて改めて感じたのは、

朗読劇は「読むだけ」ではない

ということでした。

大掛かりなセットもありません。

たくさんの出演者が出入りするわけでもありません。

基本的には、二人が座って手紙を読む。

それだけです。

ところが、幼い子どもの声から始まり、少年少女になり、
青年期を迎え、大人になり、人生の後半へ進んでいく。

声。
表情。
呼吸。
間。

それだけで50年が見えてくる。

しかも『ラヴ・レターズ』は、同じ台本をまったく異なる俳優の組み合わせで上演し続けている作品。

今回の丸山智己さんと柚香光さんだから生まれたアンディーとメリッサがいるのでしょう。

別の二人で観たら、きっとまったく違う物語に見える。

長年、何度もキャストを変えながら上演され続けている理由が、実際に観て少しわかった気がしました。

最前列だから感じられた二人の「間」

今回は1列目、最前列。

朗読劇をこれほど近くから観られたのも貴重な体験でした。

派手な舞台作品なら、最前列では舞台全体を見渡しにくいこともあります。

でも『ラヴ・レターズ』は二人芝居。

二人の表情を追える最前列との相性は抜群でした。

手紙を読んでいる相手の言葉を聞く表情。

ふっと視線が変わる瞬間。

言葉を発する前の呼吸。

長い人生を演じるうえでの細かな変化まで、間近で見ることができます。

静かな作品だからこそ、最前列ならではの情報量がありました。

(2026年かてこさん撮影:最前列のA列!)

そして最後は、4回のカーテンコール

重く切ない物語を見届けた後。

カーテンコールでは、雰囲気が一気に柔らかくなりました。

なんと、4回も登場。

最後には丸山さんと柚香さんの、かわいらしいやり取りも。

一緒に舞台袖へ帰ろうとしたとき、丸山さんが柚香さんをエスコートしようとするようなしぐさ。

ところが柚香さんは丸山さんの隣へ並ぶと、今度は自分から腰に手を添えてエスコート。

「そっち?」
というように、いつの間にかエスコートする側とされる側が逆転。

さらにお互いにエスコートし合うような形になり、客席もほっこり。

つい先ほどまでアンディーとメリッサの切ない人生に胸を締めつけられていたのに、
最後は丸山さんと柚香さんの素のような微笑ましいやり取りを見て劇場を後にすることができました。

「結ばれなかった」だけでは終わらない二人の50年

『ラヴ・レターズ』。

観る前は、これほど長い人生を描く作品だとは思っていませんでした。

6歳、8歳ほどの子ども時代から始まり、思春期を迎え、別々の人生を歩み、
それぞれに結婚し、家庭を持ち、それでも手紙を書き続ける。

恋人になりきれなかったアンディーとメリッサ。

でも、二人の人生から相手が消えたことは一度もなかったのかもしれません。

「結ばれること」だけが、誰かを大切に思った証ではない。

そんなことも感じさせる50年間でした。

そして今回、丸山智己さんと柚香光さんという二人の俳優が、ほぼ声と言葉だけで
幼少期から人生の終盤までを演じる姿を最前列で観られたことも忘れられない体験。

1990年から、さまざまな俳優によって読み継がれてきた『ラヴ・レターズ』。

また違う組み合わせの二人でも観てみたい。

そう思わせてくれる作品でした。

ステージに立つ人、その世界を創り上げるすべての人に、心から拍手を。

 

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舞台ファイル:朗読劇『ラヴ・レターズ』

かてこさんが赴いた公演日程は以下の通りです。

【公演名】朗読劇『ラヴ・レターズ』
【公演日】2026年8月1日
【会場】PARCO劇場
【作】A.R.ガーニー
【演出】藤田俊太郎
【キャスト】丸山智己、柚香光

観劇&ライブ プラスアイテム

劇場やライブ会場での時間、その日を、少しだけ快適にしてくれる観劇アイテムをまとめました。
みなさまの観劇体験がよりよいものとなりますように。

双眼鏡(オペラグラス)

2、3階席はもちろん1階席でも、表情や舞台設定、背景、衣装の細部まで楽しみたいときに。

はじめての双眼鏡なら、小型なものから。

性能にも多少こだわりたい方には。

水筒

開演前後の水分補給に。劇場周辺で飲み物を探す手間を減らせます。

観劇中の集中力を維持するもの

BASE FOOD

小腹が空いて観劇の集中力が途切れないように。開演前や休憩時間に、手軽に栄養補給を。

ナリス ぐーぴたっクッキー

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立見観劇にあると便利なもの

折り畳み椅子

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夏の観劇にあると便利なもの

携帯扇風機

駅から劇場までの移動や、開場待ちの暑さ対策に。

日傘

劇場までの移動や、物販列に並ぶとき、日差し対策に。

ネッククーラー

真夏の観劇・遠征・屋外待機の体力温存、熱中症対策に。

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