2026年5月、かてこさんはEX THEATER ARIAKEにて、
舞台『AmberS -アンバース-』を観劇してきました。
本作は、2026年4月25日に開場した新劇場
「EX THEATER ARIAKE」のこけら落とし公演。
クリエイティブプロデューサー・原作・脚本を加藤シゲアキ氏、
演出を河原雅彦氏が務め、
大橋和也さん、寺西拓人さんが主演を務めるオリジナル作品です。
物語の中心にあるのは、
永遠の若さを手に入れられるという伝説の琥珀の秘薬、
“アンバース”。
美しく、神秘的で、
けれど、それを求める者の運命を大きく狂わせていく存在です。
そして「永遠に生きることは、本当に幸せなのか」
に対して、どういう答えが描かれていくのか、
かてこさんに振り返ってもらいました。

(2026年かてこさん撮影:EX THEATER ARIAKEにて)
新劇場EX THEATER ARIAKE、見やすい・聴きやすい・居心地がいい
まず、かてこさんが強く印象に残ったのは、
作品そのものと同じくらい、劇場空間の心地よさでした。
EX THEATER ARIAKEは、
約1,500席規模の新劇場。
大きな劇場でありながら、
実際に客席に座ってみると、
舞台との距離が思っていた以上に近く感じられたそうです。
「劇場がよかった…」
っというのが、かてこさん開口一番の所感でした。
こけら落とし公演という特別なタイミングで、
新しい劇場の空気感を味わえること自体も、
観劇体験の一部。
新品の劇場ならではの清潔感、
客席から舞台への視界のよさ、
音の届き方。
観客が長時間座って物語を受け取る場所として、
とても配慮された劇場空間だったようです。
舞台を観るうえで、
「作品の内容」だけでなく、
「どんな劇場で観たか」も、記憶に残る大切な要素。
その意味でも、
『AmberS -アンバース-』は、
新劇場EX THEATER ARIAKEの幕開けにふさわしい、
大がかりで見ごたえのある公演だったのではないでしょうか。

(2026年かてこさん撮影:EX THEATER ARIAKEにて)
わかりやすく入り込める、琥珀をめぐる壮大な物語
かてこさんの感想として、
まず挙がったのは、
「ストーリーがわかりやすくてよかった」ということ。
舞台設定は壮大で、
登場人物も多く、
アンバースをめぐる勢力争いや過去の因縁も絡んでいきます。
けれど、物語の軸は比較的つかみやすい構造でした。
大橋和也さん演じる主人公イヴルは、酒場で働く青年。
父親は、琥珀を探していた最中に事故で亡くなり、
弟ルイはその事故によって怪我を負い、
車いす生活を送っています。
イヴルがアンバースを求める理由は、
お金のためだけではありません。
弟を治したい。
家族を救いたい。
その切実な思いが、
彼を琥珀へと向かわせます。
一方で、アンバースは、
ただの宝物ではありません。
飲めば永遠の命を授かるとも言われている一方で、
飲んだ者に死をもたらす危険な存在でもある。
誰かを救うための希望にも見えるし、
誰かを壊してしまう欲望の種にも見える。
その二面性が、
物語全体を引っ張っていきます。
クラッシュ、虎、映像演出。大劇場ならではの見ごたえ
『AmberS -アンバース-』の世界では、
地震のような現象“クラッシュ”が起きると、
アンバースが現れると言われています。
そして、そのクラッシュの前触れとして現れるのが、
大きな虎。
虎が鳴くと、クラッシュが起きる。
この設定が、
舞台上の緊張感を一気に高めていました。
映像を使った演出、
舞台装置の転換、
くるくると変化していく場面。
大がかりな仕掛けが多く、
場面転換も多め。
物語のスピード感と、
視覚的な迫力がうまく重なっていて、
大劇場で観る楽しさがしっかり感じられる作品だったようです。
新劇場でできる演出効果を
最大限活用してのお披露目の意味が込められていたのかもしれません。

(2026年かこてさん撮影:演出に関する留意点を記載する心遣いもあり)
永遠の命を持つ男、アランの悲しみ
寺西拓人さんが演じるアランは、
謎の多い流しのピアニスト。
しかし彼は、
ただの旅人ではありません。
かつて妻と子どもたちと暮らしていたものの、
戦争によって家族を失い、
自らも死に場所を探していました。
ところが、山で死のうとしたときにクラッシュが起き、
アンバースが現れる。
死ぬはずだった彼は、
死ぬどころか、永遠の命を授かってしまうのです。
死にたいと思っていた人が、
死ねない身体になってしまう。
これは、あまりにも残酷な運命です。
永遠の若さや命というと、
一見、誰もが欲しがる夢のようにも思えます。
けれどアランにとっては、
それは救いではなく、終わりのない罰のようなもの。
どうすれば死ねるのかを考えながら、
それでも生き続けている。
その姿が、
アンバースという存在の持つ“罪”を象徴していたように感じます。
弟ルイの痛みと、兄イヴルの選択、交差していくそれぞれの思惑
嶋崎斗亜さん演じるイヴルの弟ルイは、
クラッシュの発生を予測できる特別な力を持っています。
その力に目をつけたのが、
真風涼帆さん演じる中央政府軍の最高司令官ヒルダ。
ヒルダはルイを自分の手元に置こうとし、
お金を出し、ルイの足を治してしまいます。
その結果、ルイは一度ヒルダに忠誠を誓うようになります。
そんなヒルダと対立しているのが、
琥珀を研究し、
永遠の若さを手に入れようとする市川右團次さん演じるヴィンガス。
その娘として育てられた山崎玲奈さん演じるノア。
好奇心のままに貧民街の酒場へいき、アランと出会い、
事件に巻き込まれていきます。
そして、ノアに付き添うAIロボットのケン。
ノアを守り、帰宅を促し、
彼女のそばにいる存在。
それぞれの登場人物が、過去から続く思惑があり、
物語は単なるアンバースを探し求める冒険譚ではなく、
家族、裏切り、欲望、支配の物語へと深まっていきます。
アンバースをめぐる物語の残酷さが現れてきます。
最後に残るのは、希望か、それとも罪か
終盤、
登場人物たちはヴィンガスのもとへ集まり、
それぞれの思惑がぶつかり合います。
ヴィンガス。
ヒルダ。
貧民街の若者たち。
アラン。
イヴル。
ルイ。
ノア。
アンバースをめぐる三つ巴の戦いのなか、
虎の鳴き声とともに起こるクラッシュ。
それぞれの登場人物が、
その瞬間に選んだものとは。
意図せず永遠の命を授かったアランはどうしたのか?
探し求めたアンバースを手に入れたイヴルはどうしたのか?
もしイヴルが永遠の命を手にしてしまったのだとしたら。
それは、
アランの苦しみを受け継ぐことでもあります。
大切な人を失い、
それでもひとり生き続けること。
アンバースは、
本当に希望だったのか。
それとも、罪だったのか。
観終わったあとも、
その問いの答えを出せないまま心に残る作品となりました。
こけら落とし公演として記憶に残る一本
かてこさんにとって、
『AmberS -アンバース-』は、
ストーリーがわかりやすく、
大がかりな演出も楽しめる、好印象の舞台だったようです。
永遠の命をめぐるファンタジーでありながら、
家族を救いたい気持ち、
愛する人を失った悲しみ、
貧しさや権力への怒り、
若者たちの選択が描かれていて、
物語の入口はとても入りやすい作品でした。
そして何より、
EX THEATER ARIAKEという新しい劇場で観たことも、
記憶に残る一本となりました。
見やすく、聴きやすく、居心地がいい。
観客に配慮された劇場空間で、
新しい舞台作品の誕生に立ち会う。
それは、こけら落とし公演ならではの特別な観劇体験だったと言えるのではないでしょうか。
歴史ある劇場の閉館が目立っていた中で、
新しい劇場の幕開けとともに
舞台『AmberS -アンバース-』に出会えたことで、
記憶に残る一作となりました。
ステージに立つ人、その世界を創り上げるすべての人に、心から拍手を。

(2026年かてこさん撮影:EX THEATER ARIAKE会場前、気持ちのいい観劇日和な一日でした。)
(Coffee break…)
次のページをめくる前に、温かい一杯を。
舞台ファイル:舞台『AmberS -アンバース-』
今回、かてこさんが赴いた日程は以下の通りです。
【公演名】舞台『AmberS -アンバース-』
【公演期間】2026年4月25日 ~ 2026年5月24日
【会場】EX THEATER ARIAKE(東京ドリームパーク内)
【クリエイティブプロデューサー・原作・脚本】加藤シゲアキ
【演出】河原雅彦
【主催・企画・製作】テレビ朝日・STARTO ENTERTAINMENT
【キャスト】
イヴル:大橋和也
アラン:寺西拓人
オルッカ:猪狩蒼弥
ルイ:嶋﨑斗亜
エンリケ:川﨑皇輝
ウォルフ:松尾龍
ノア:山﨑玲奈
ケン:渡部豪太
ヒルダ:真風涼帆
ヴィンガス:市川右團次
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